第5章 任務の段
もう少しで一カ月半となる。
約二週間毎に出張の帰りや外出届けなどで家には寄るが手紙なんて届いていない。
仕事で大変なんだよな。
いや、でも危険とか?
いやいや、危険な仕事じゃないと彩さんは言っていたじゃないか。
信じて待つべきって…
私は彼女の何なんだ?
隣人……
分かってるがそういうのでは無くて!
「土井先生!」
ポンと肩を叩かれ振り返ると…
「利吉くん!」
山田先生の息子さんの利吉くんがいた。
「ずっと呼んでたんですよ?珍しいですね。土井先生が気付かないなんて…」
「あはは……考え事をね。って、利吉くんどうしたの?」
「いや、ある情報が入ったので父上と学園長先生のお耳に入れたくて、それで学園に向かってたら、私服の土井先生が見えたので……」
「あぁ、成る程。私はちょっと町へね。話をするなら行こうか。もう今日の授業も全て終わる頃だよ。」
「はい。」
そう言って先を行く利吉くんを追いかける。
利吉くんの情報が穏やかじゃないのが分かる。
暫くは手紙の確認は行けないかな。