第5章 任務の段
まさか…
あの町からそこまで離れてない場所に学園があるとはね。
任務を受けてから二週間と数日
今宵は気配が少ない
場所を突き止めて夜に確認に来るも、もう少し気配はあったはず…
(バレたか?)
まぁ、バレたにせよ
行かなければ取れないのも現実。
目元以外を頭巾で隠し
木々を伝い
飛んで塀を超えて静かに地面に着地する。
(簡単なのはここまでかな。)
ふと目を凝らして辺りを見渡すと、他の建物とは違う庵が見える。
(馬鹿なのか。この学園は…)
静かに地を蹴り、屋根から屋根裏へ
トン……
部屋に降りた時には布団を被りイビキをかく声が聞こえる。
(さっさと終わらそう。)
忍刀を出し
構えて
飛びかかる。
「かかったな。」
ふと聞こえた声に片手で床をつき、そのままバク転し距離を置く
布団から出たのは黒装束姿の顎と口元に綺麗に整えられた髭がある男
「囮か。考えたな。」
「退くなら逃がそう。」
髭の男の言葉に鼻で笑い、左手に忍刀を持ち、右手は苦無を出す。
「あいにく、退くという選択肢は持ち合わせてない。」
その言葉と同時に障子が開き、後ろからの苦無二つの斬りかかりをそれぞれ止める。
「「なっ!」」
「……対象以外に興味はない。」
後ろの2人を足で払い転ばせ外へ出る。
対象を探すも
横から飛んできた苦無を持ってる苦無で叩き落とし
上からの手裏剣の雨を飛んで避け
避けた先に刀が振られ、右肩を斬られるもなんとか避けた
バク転し距離を取る。
前を見ると、1人は小豆色のような装束で刀だがそれ以外は全員が黒装束の忍
「……ひぃ…ふぅ………6人か。」
「数えて何になる。」
「別に……怪我人の数を数えただけだ。それに対象が見当たらないじゃないか。学園長だっけか?」
髭の男の問いに答えて話し、懐にあった似顔絵の紙を取り出し、武器を持ったまま破り捨てて見せる。
すると何人かの男が構える。
「確実に仕留めたいなら、火器を使えばどうだ?」
「その必要はない。」
ふと聞こえた声に、ドクン!と鼓動が大きく鳴った。