第4章 いつもの条件の段
「ハァ…ハァ……」
城から出てずっと走り続けフウユイタケの領地の端である森の中
水飲み場となる小さな溜め池を見つけ
両手で掬い飲む
何回か飲み続け
ふと……水面に映る自らの顔を見つめる。
ーあんなに激しく殺しはしない。ー
嘘ばかりだ。
ーやめてくれぇ!!ー
噎せ返るような血の匂い
(ウルサイ)
ー頼む!助けてくれ!ー
斬撃の感覚
斬撃を受けた者の声
浴びる返り血
(ウルサイ。ウルサイ。)
ー女と思って油断した!貴様は人間か!?ー
(ウルサイ!ウルサイ!!黙れ!!!)
水面にある自分の顔を殴り水面が揺らぐ
「くっ……っ……」
やっぱり……
素の私なんて誰も知らなくて良い。