第4章 いつもの条件の段
「ふぅ……」
荷物を纏めて包みを結ぶ。
やっと城から離れる任務が来た。
1・2日で戻れる任務などが多く疲れていたから余計に思う。
でも、この任務が終われば……
ふと浮かぶ顔に軽く頭を横に振る。
「少し変わったね。彩也」
「ハァ……お前も今回はよく私に付きまとう。」
「まぁ、いいじゃないか。任務について忠告だよ。」
銀波を睨む
「今まで忠告なんかあったか?」
「今回はそう簡単には行かない場所らしいからな。専属の我らの監視も付けるなと殿からの命令でな。」
「余程、専属は大切にするんだな。」
「まぁな。んで、忠告は言わなくても分かるだろうけど……
学園でも忍術のだ。手練れは多いぞ。」
忠告に鼻で笑い、立ち上がり頭一つ分はある背丈の銀波の胸倉を掴む
「馬鹿にしてるのか?私が女装ばかりしてるからか、女と思ったか?」
「違うの?」
「女ならくノ一でやっている。それにあんなに激しく殺しもしない。」
ふと頭に浮かぶは、今までの任務
(嫌な事を思い出した。)
トッ
銀波を掴んでいた手で軽く突き放す。
「私の事に口を挟むな。お前も対象にするぞ。」
「我はそれも楽しそうだがな。」
考えながらニッと笑う銀波に舌打ちし
「下らん。それだけなら、もう行く。」
そう言って部屋を出た。
「そう……違うのか……まぁ、そうだよね。」
一人呟く銀波は喉を鳴らして笑う。