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【忍たま】暗躍からの恋

第4章 いつもの条件の段



(さて……もう諦めて仕事の依頼かしら。)

いつもの流れに心の中でフゥと溜め息ついた瞬間




「本当に欲は無いのか?休暇中は楽しかったのだろう?」

城主の言葉に眉が動き、顔を上げて御簾越しの城主を見つめる。

「休暇は楽しまないとですよ。殿様」

「そうだなぁ。そんな楽しいのが無くなるなんて困るだろう?」

「……何を仰りたいのですか?」

そう言いながら後ろにいる銀波に目を向けるも、銀波は頭を下げたまま

「いや、ちょっと遠出をして貰いたいのだよ。銀波」

「ハッ!」

返事した銀波は私の隣に来て、一枚の似顔絵が書かれてる紙を見せてきた

その似顔絵には、白髪オカッパの老人の姿があった。


「その者の名前は、大川 平次 渦正だ。」

「大川 平次 渦正。」

城主が言った名前を復唱すると、うむ…と言った。

「このフウユイタケ城から一週間半くらいで着く忍術学園という建物がある。そこの学園長だ。」


(学園とはまた聞きたくない言葉ね。)

そう思いながら、似顔絵から目を離し城主を見つめる。


「本当に遠い場所ですね。」

「まぁな。だから休暇も少なくなるかもと思って言ったんだよ。その者が今回の標的だ。」

「……そうですか。」

「なんだ?出来ぬのか?」

城主の言葉に似顔絵が描かれた紙を折り、懐にしまう。

「いつもの様に手紙での報告をします。お話は以上ですか?」

「そうだ。」

「では…」

城主に頭を下げてその場から立ち去る。



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