第4章 いつもの条件の段
彩也がフリー忍者にこだわりがある。
依頼してきた城からの専属をと言われるが断る程だ。
大概の城は断り、仕事だけをこなせば諦める。
だが、フウユイタケ城の城主は違った。
大きな戦はせずに裏からの戦いをよくするフウユイタケ城だからか、忍は常に優秀さで揃えたい所だ。
それを分かっていても、彩也のフリー忍者という職業から離れようとはしない。
ここ1年は特に専属の勧誘を城主が自ら行う程となり、彩也は厄介になってきている。
それを断る度に、一緒に依頼してくる仕事は……
血が必ずつくものばかりだ。
(考えても仕方ない。これが私なのだから、今回も同じ事。)
そう思いながら、彩也は立ち上がり
「行くよ。殿の所だろ?」
「我らも呼ばれてる。」
「あっ、そう。仲良しごっこで行くなんか御免だ。」
と言うと一緒に消えた彩也
「あぁぁ!!フリーだからって!何なんだ!あの態度!」
「白衛、彩也の性格なのだから仕方ないだろ?」
「だからって!赤衛はなんとも思わないのかよ!頭への態度!殿からの呼び出しに溜め息だぞ!?」
「いや、まぁ……そりゃムカつくけどね。」
「あんな奴が仲間になるなんて絶対思えない!」
「白衛の言葉は当たってるかもな。」
「「頭?」」
白衛と赤衛は、銀波の言葉に銀波の方を向いた。
「我らの仲間になりたがらない。だからこそ、殿は仕事を頼む。」
「まぁ、いつもそうだよな?」
「それでいつも難なくこなして手紙だけの報告で終わる。」
白衛の頷きと赤衛の流れの説明に銀波は頷く
「だけど、今回はどうかな?」
「「え?どういうことですか?」」
「まぁ、後に分かるよ。」
二人の頭には、?が浮かんでるが、銀波は意味深な笑みを浮かべるだけ……