第4章 いつもの条件の段
町を出てから、一カ月が経とうとしていた。
私は仕事を依頼してきたフウユイタケ城に来ていた。
今日の仕事を終えて、城の屋根に座りながら夜空を見上げる。
(授業って何するんだろう。)
ふと、浮かぶのはきり丸君の授業を受ける姿もだけど……
半助さんの教える姿にしっくり来て思わず笑みが浮かぶ。
「意外だな。笑う姿は女装と同じく可愛らしい。」
聞こえた声に舌打ち、笑顔なんて直ぐに無くなる。
横に現れたのは、灰色霰小紋の忍装束の忍が2人と銀波
「いちいち監視か?フウユイタケ城の忍頭はフリーに構うほど暇なんだな。」
「貴様!!」
「やめときな。白衛」
軽く殺気を見せてきたのは、毛先が白の黒髪の忍で銀波の部下の白衛(はくえい)
そんな白衛を止めたのは、赤髪で額には横一線の傷が見える赤衛(せきえい)
「赤衛の言う通りだ。彩也の挑発に乗るんじゃないよ。」
銀波の言葉に申し訳ありません。頭…と告げる白衛
「んで?……仕事か?それ以外に声を掛けるなと言ったはずだが?銀波」
「あぁ……殿が話をな。」
溜め息をつく私に白衛がまたも少し反応するが無視する。
どうせ話の内容なんて分かってる。
(いつものか。次はなんだろうな。)