第1章 出会いの段
「だぁかぁらー!!なんで商売にアンタ達の許可が必要なんだよ!」
藍色の髪を一つに結った少年は大人相手に臆せず意見を述べていた
そんな少年を鼻で払った男の大人達は少年が持ってる箱から山菜の一束を取り
「困るんだってんだよ!餓鬼が商売なんてしてんじゃねぇ!」
「バイトなんだよ!山菜返せよ!売らなきゃなんだ!」
「バイトだぁ!?なら責任者を呼べ!餓鬼のテメェじゃ話にならないんだよ!」
そう言われた少年は押し黙り、騒ぎを見る野次馬の大人達を見回す
だが、大人達は目を合わせないよう各々伏せる。
バイトの依頼者なんている訳なく、少年は黙ったまま
悔しそうな顔をしてる少年が見えた男達は顔を見合わせ、畳み掛けようと口を開いた瞬間
「まぁまぁ!こんな所にいたのね!」
1人の女の声に、野次馬と男達そして少年が見ると…
呆れた顔をした女は野次馬を抜けて少年に近寄り、少年の頭を撫でる。
「全く、指定した場所から離れてるから心配したわ。」
「え?おね…」
少年がいいかけた言葉にシッと少年にだけ聞こえるように告げ、ウィンクをする女