第3章 それぞれの段
約2週間程であるが歩いてた町をゆっくり歩き
町を出て、森へ入る
人が通る道を少し歩いたのち外れて茂みに入る
歩きから、木に飛び上がった時には、私服の小袖ではなく…
桔梗色の忍装束に着替え、長い髪は短くなり、つり目の男らしい顔付きで頭巾を被った。
「おぉ、やっぱりその姿だよね。彩也はさ。」
ふと目を向けると、前の木に銀波が軽く拍手しながら私を見ていた。
「今度はストーカーか?」
「監視だよ。あの親子?と離れるのは辛かったか?」
親子という銀波の言葉に舌打ちし
「関係ないだろ。仕事なのに逃げる意味も分からない。まぁ、任務により受けるか分からないがな。」
「へぇ〜。選ぶんだねー。」
「フリーだから当たり前だ。……行くぞ。」
そう言うと同時に私は枝を蹴り木々を走り出す。
いつか会えるなら……
その時は素の私を見せたいな。