第2章 平和の段
「見苦しいわけないだろ?そんな事を言うもんじゃない。負ったモノでも貴女の身体に何も無いなら、私は安心だよ。」
私の頭を撫でながら言う半助さんに、私は安心と嬉しさの感情が芽生えた。
さすが、教師というだけあって優しさと説得力はある。
頭を撫でられたなんて今までの人生であっただろうか?
いや、この20年といく日か…記憶を辿るも無い。
(これは子供に懐かれる先生になるわ。)
きり丸君と半助さんのやり取り
今の私に対しての行動
納得がいく。
「……さん?…彩さん?」
「は、はい!」
半助さんに名を呼ばれてることに気付き我に返った。
「大丈夫かい?やっぱり古傷でも痛むんじゃ?」
「あっ……いえ……なんかこの様な事はされ慣れてなくて…」
「え?」
半助さんの疑問の声と同時に私は頭に乗っかっている、半助さんの手を目で見上げる。
「あぁ!!すみません!子供扱いではなくて!その……職業病でしょうか!……えっと……」
慌てて両手を離した半助さんは両手を挙げて一生懸命に言葉を並べようとする姿に
「クス!……お優しいのですね。半助さんは…」
笑う私に半助さんの頬が赤い
その理由は分からないけど、この人は優しさで出来ているのね。
初めて古傷が見えて良い事だわと思った。