ハン×ハン《 刻まれる時の中の...》~恋愛物語~
第2章 シケン×ノ×ジュケンシャ
クラピカの表情が軽くなった
よかった...
レオリオは宛もなくただひたすら力を求めるクラピカと違い、"医者になる"という目標を作ることで自分の道を進んでいる
私がなにも言わなくても、乗り越えていく心を持っている
(大丈夫だ...)
いつしか、絶大な信頼を受ける人物になるんだろうなぁ...
「あ、クラピカ、レオリオ!」
「それにルイじゃん」
ゴンとキルアが後ろから追い付いてきた
あれ?
トヒロと別れたとき、私って二人の後ろにいたはずなのに...
「でもルイ、俺たちがいるのにすいすいってめっちゃ速く階段を上っていっちゃうんだもん。驚いちゃった」
「お前、女の癖に体力あるな...すげぇ//」
「えへへ...ありがとう//」
正直に誉められるって嬉しいな...
「じゃあ、先行くね」
「私も行くよ」
「じゃあな、おっさん」
「おっさんじゃねぇ!!俺はまだ十代だ!!」
レオリオが叫ぶ
その言葉に、レオリオ以外の皆の顔が固まる
「え...」
「まじで...!?」
「それにしても、二人ともさっきよりペースあげてるね」
「勝ったほうがご飯一回奢りだから!」
「ま、俺は負けねぇけどな♪」
「何を~」
(二人とも、仲良くなったな...)
短時間で仲良くなれるのは、男子の特権(?)なのだろう
「そういえばさ、ゴンは何でハンターになりたいの?」
(あ、さっき聞いたやつ...)
「俺は親父がハンターなんだ」
「ジン、っていう名前のね」
「へぇ...」
「俺は親父に捨てられて、小さい頃からミトさんに育ててもらってた」
「ミトさんって?」
「ミトおばさん!」
「はぁ...」
(...ゴンよ、もっと詳しい説明はないのか?)
「子供を捨ててまで続けたいハンターって仕事を、俺も知りたくて...!」
(ゴンの眼、キラキラしてる...)
人は夢を語るとき、こんなにも輝いて見えるのだろうか...?
「お前の親父さん、凄いんだな」
「でも、ルイは両親がハンターだよ」
(言う必要、ある?)