ハン×ハン《 刻まれる時の中の...》~恋愛物語~
第2章 シケン×ノ×ジュケンシャ
「キルアは何でハンターになりたいの?」
「別にハンターになんかなりたくないよ」
「なっ?」
(私のようにすごくハンターになりたくても、今ここに倒れている人のようになれない人だっているのに...
なりたい人がなれなくて、なりたくない人がなるなんて理不尽でしょ!!)
「俺の家、暗殺一家なんだよね」
「え...」
「ハンター試験ってさ、超難関だって聞いたから受けてみたけど、拍子抜けだな
俺、暗殺一家のエリートだから家継げって言われたけど、嫌だったから母親の顔面と兄貴の脇腹刺して飛び出してきたんだ(笑)」
「...(汗)」
「えっ!?」
まだキルアは念を覚えていない
それなのにエリートと呼ばれるってことは、体術が凄いのだろう
その上で念を覚えたら、一体、どれ程の強さになるのか...
「出口だ!!」
「助かったぞ!!」
周りの人たちが叫び始めた
確かに、遠くの方には光が差し込んで見えた
「「っ!」」
ゴンとキルアは競争のためか、ゴールと思って思いっきり階段を登り始めた
サトツさんが振り返った瞬間にゴールしたため、サトツさんは顔にはあまり出ていないが、驚いたと思う
私も他の受験者に続き外に出た
ゴンとキルアはなんか言い合って煩かった
辺りは霧に囲まれていて、なにも見えなかった
(ここがゴール...?)
「ねぇサトツさん。ここがゴールなの?」
「いえ。まだまだ先ですが」
「「なぁんだ...あっ」」
ゴンと声がハモり、クスクスと笑い出してしまう
キルアはそんな私たちをげっそりとした眼で見ていたが...
「ここがゴールか?」
「クラピカ、レオリオ!」
(二人とも大丈夫だった。良かった...)
クラピカは息が少し荒いけどまだ平気そう
レオリオはぜぇぜぇと苦しそう...(汗)
一人忘れているような気がしたけど、クラピカが私と目があったときに微笑んでくれて嬉しくて、どうでもよくなった
「ううん。まだ先だって!」
「そうか...霧が晴れてきたぞ」
クラピカの言う通り、前を見ると霧が晴れ、ジャングルのように繁った木々が現れた