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ハン×ハン《 刻まれる時の中の...》~恋愛物語~

第2章 シケン×ノ×ジュケンシャ



【クラピカ】

レオリオのハンターになりたい理由...



それは、金で命を買えるというバカらしい考え方だったが、考え方によっては答えも変わるのだと思い知らされた



金でどんな命も買えるのだったら、失った命...父さん母さん、パイロ、じじい、みんなの命、全部を買ってやるのに...



「ひっく...ぐすっ、ぅえっ...」



(しゃくり声...?後ろから...)



振り向くと、そこにはルイが泣きながら走っていた



(整った顔が、歪んで台無しだ)



「(ふっ)」



「ぢょっ、グラビカ!何で笑うの?」



「そりゃ笑うに決まってんだろ!お前、今の自分の顔鏡で見てみろよ!!あっははーのはー!!」



(まったく...こいつもデリカシーがないのか...?)



こんなバカ面、昔のなにもできなかった私みたいでイライラする...



「ずびっ...二人とも、すごく悲しい過去があったんだね...」



「っ!?」



(聞かれて、いたのか...)



悲しい、などという一言では表せないような虚無感がある



一生かけても、この穴はおさまらない



この私の命がつきるまでは...



「クラピカ」



「っ...なんだ?」



彼女の顔は、先ほどまでの歪んだのではなく、元の綺麗な顔に戻っていた



(綺麗だな...)



年が近い女性とはあまり話したことがなかったから(作者想像)、こういうのは新感覚だ



「大事な人が殺されるって、口では表せないほど悔しいし、悲しいよね」



「っ...あぁ」



「泣きたくなるよね」



彼女の目に、また涙が浮かんでくる



「(ふっ)...あぁ」



「今は笑うとこではないのだ(ビシッ)」



(お前の表情を見て、笑わないものがいたら教えてほしいよ...)



彼女の表情は喜怒哀楽



コロコロ変わるから見ていて飽きない



いろんな事を忘れられる



「でも、今は私たちがいるよ!」



「え...」



「今は私たちがいるんだから、悲しんでいる暇なんてあげないんだから!!」



「......」



彼女は



人をどんな風に助けるのだろうか



相手の気持ちになる?



励ます?



傍で寄り添う?



きっと



全てなんだ
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