ハン×ハン《 刻まれる時の中の...》~恋愛物語~
第3章 ピエロ×ト×キジュツシ
私たちは、先頭集団に近づくために走っていた
「...!止まれ!!...見ろ」
レオリオがそう言って立ち止まった原因は、私の心配していたことの元だった
「お前はハンターに向いてない、ってな!!」
先ほどの殺気を放っていた厳つい男の人たちに囲まれていたのは、ピエロさんだった
「僕がハンターに向いてないかだんて、やってみればわかる」
ピエロさんの顔が一瞬見えた
その顔は、また不気味な笑みを浮かべていた
「やってみる?試験管ごっこ♪」
「っ...やれぇえええっっ!!!」
(意味ないことを...)
ピエロさんに、何人もの人が一気に襲いかかる
しかし、ピエロさんの素早い手さばきで全員が一斉に崩れ落ちた
「さて...」
「ひっ」
一人残った首領のようだった人は、ピエロさんにじっと見られて腰を抜かす
そのなにも感じずに殺す様を、私は黙って見ていられなかった
「おい、ルイっ!?」
トヒロの止める言葉も聞かず、私はピエロさんに殴りかかっていた
【絶】をしていたからか、ピエロさんは、私と近距離になるまで気づかなかった
そして私は、殴る直前に【凝】をした
「っ!」
ピエロさんに寸前で【纏】をされたため、思ったよりもダメージは少なかったが、その代わり...
「君、か...◇」
ゾクッ
目標を定められてしまった
「ルイっ...んのバカっ!!!」
震えて動けなくなっていた私を、トヒロが素早く掴み後退する
「さて...君たちもやる?試験管ごっこ◆」
「っ...三人とも、よく聞いてくれ(小声)」
クラピカが真剣な顔をして囁く
「今の私たちでは力を合わせても、実践の差で奴には敵わないだろう」
(クラピカの言う通りだ...そんな人に、いつかはバレるとしても、私は突っ込んでみんなを危険な目に遭わせてしまった...)
私は思わず唇を噛む
「私が合図したら、全員違う方向に散って、奴の気をそらすんだ」
「けど、うまくいくもんかねぇ...?」
「今はこれにかけるしかない」
ピエロさんが近づいてくる
「...」
「...」
「...」
「...今だ!!」