ハン×ハン《 刻まれる時の中の...》~恋愛物語~
第3章 ピエロ×ト×キジュツシ
私たちはクラピカの言った通り、それぞれ違う方向に駆けた
でも私は、逃げたことよりも、自分の過ちに苛立っていた
(このまま...逃げられない!!)
私は彼の方向にUターンをした
彼は私の方を見た後、また違う方を向いた
一つの気が近付いてくる
「やっぱだめだわ...」
レオリオが棒を持って近付いてくる
「売られた喧嘩じゃないにしても、なにもせず逃げるってのは、俺の性には合わねぇんだよ!!!」
「レオリオ!」
(勝てる筈がない!)
レオリオはピエロさんに襲いかかる
ピエロさんは動かない
(念を知らないレオリオに念を使う気...!?)
すかさず目に凝を使うっても、ピエロさんのオーラは特に変わっていない
(それほどまでに無傷でいられる自信がある...ってこと...?)
レオリオが雄叫びをあげて振った棒は、ピエロさんの人間離れした反射神経でかわされた
「なにっ!?」
すかさずピエロさんはレオリオの後ろに回り込み、手を出す...
すべてがスローモーションに見えた
これから何が起こるかと想像すると、恐怖で体が動かなかった
「れお...り、お...」
辛うじて出した声は掠れていて、とても届くようなものではなかった
(待って...ねぇ、待って...お願いだから、待って...!!!)
伸ばそうとした手は届かない
私は思わず、目を瞑った