第6章 年下の強引なカレ
クロが強引に口の中に入ってこようとする。
「やっ……」
「あ、あのっ……」
眼を見開いた黒髪の彼の顔が目端に映る。
いきなりのキスシーンに固まってる。
「っクロ……っ」
「黒尾、さん……あ、あの……」
「影山、おまえそこで見てろ」
クロの命令に、とまどう顔が、でも、こっちを見てる。
「口、開けろ」
「……ゃっ……」
「こいつの前で強引にされたいなら別にいいけど、じゃなけりゃ開けろって」
少しだけ口を開くと、ためらいなくクロの舌が口の中に侵入してきた。
私の口は自分のモノだって主張するみたいに……。
クチュリ。
唾液が絡む音に、鳥肌が立つ。
「ん……んっ」
クロの舌……上顎をねっとり舐めたり、きつく舌に絡みついてきたり。
翻弄されて、息が苦しい。
こんなに苦しいと思ったの、初めて。
頭の芯がぐらぐらする。
背中に腕が回ってくる。
「もっと、舌出せって……」
「……んっ……ん」
逃げようとしても追ってくるクロの唇は、強引に角度を変えながら私を離そうとしない。
もっと、欲しい。もっと、欲しい。
貪欲に欲しがられているみたい。
時間の感覚がなくなってくる……
舌の感覚なくなるほど、口のナカを貪られる。
「ふ、……ぁっ」
膝の力が抜けて、立ってられない。
でもクロは唇を離してくれない。
ちょうど後ろにあったベンチに沿ってずるずる腰を落とすと、クロもついてくる。
「ク、ロ……」
キスの合間に名前を呼ぶと、すぐにまた口を塞がれる。
苦しいのに……舌が甘い……
「……ッ、は……」
ようやく唇が離れて、深く息をつく。
「こういうの、だからやめてって……」
「いいだろ……最後の夜なんだろ?」
片手をつかまれる。
「……っ!」
クロの股間のモノに触れさせられる。
「硬くなってんだろ。今これでがっつり可愛がってやるから……なあ、影山」
直立不動でキスを凝視してた彼が、もっと大きく目を見開いた。
「クロ……クロ、何がしたいの……?」
「あ?」
「クロが何したいのか……もうわかんないよ、私……」
「……俺だって、……わかんねぇよ……」
泣きそうな顔。
初めてみた……こんなクロの顔……