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海常高校バスケ部です。

第2章 はじまり


「っあーー!疲れたっス!」



いつも以上にバタバタした部活も、ようやく終わった。



「ってまだ片付け終わってないから」
「あっ、なまえさん!」



今日はまだ初日ということで、練習は早めに切り上げた。
と言っても、まだ仮入部の一年生は少しキツそうで、黄瀬は今日くらいのメニューなら軽々とやり切った。
そらそーだ、帝光の練習はもう少しキツかったはずだ。
数ヶ月のブランクがあるとはいえ、強豪のレギュラーとしてのスタミナは伊達じゃない。



「片付け終わったら一緒に帰りましょ!」
「はいはい、わかったから早く片付けて」
「なまえさんすぐ帰れるんスか?」
「記録書き終わって着替えたらね」
「りょーかいっス!」



そのせいか、元気が有り余っている黄瀬はかなりやかましい。
こっちはバタバタして疲れているというのに。
これで帰ってからご飯を作ってあげないといけない。



「ふぅ…」
「あ、みょうじ。ちょっといいか?」
「はい、大丈夫です」
「悪りぃんだけど、 今日の一年の体力テストの結果、今週中に表にまとめといてもらえるか?」
「いいですよ」
「悪りぃな…。頼むわ」
「はい」



仕事もたくさんあるし、って、それは別に構わないけれど、正直精神面での癒しが欲しい。



「笠松はなまえちゃん相手なら喋れるんだな」
「なっ、なんだよ」
「笠松先輩、私のこと女だと思ってないみたいですよ」
「なんだと?!どうしてだ?!」
「いや、そう思っとかねーと喋らんねーからだよ!みょうじがそういう口調なのも、正直助かる…」
「あらやだ先輩、それはどういう意味かしら?」
「や、やめろ!悪かったって!」



例えばそうだな、早川とかさ。



「みょうじー!お疲(れ)!」
「お疲れ」
「ん、お疲れ様。早川、中村」
「気をつけて帰(れ)よ!」
「うん、ありがと」



ほらね、満面の笑みで手を振ってくれる。
やっぱり早川は癒しだ。
出来ることなら、黄瀬じゃなくて早川と帰りたいくらいだ。



「なまえさん!片付け終わったっス!」
「ん。私も終わったから後で校門ね」
「はいっス!」



…まぁ、犬と思えばかわいいもんか。
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