第7章 明日も笑えるように
あれから私達は近くの公園までやって来た。
隣にはストバスコートがあり、そこでは高校生数人がバスケをしていた。
「そういえば緑間っちに会ったっスよ」
「正直あの人はちょっと苦手です」
黄瀬とテツヤが何か話し込んでる間、私は飲み物を買いに自動販売機を探していた。
すぐ近くにあったが、すぐに戻るのも嫌なので、二人の分も買うことにした。
あの二人、何話してるんだろう。って、黄瀬、危な…っ。
あーもう、ヒヤヒヤさせないでよ。
…んー、あんまり楽しい話では無さそうだ。
「ん、あれ?あそこにいるの…」
ふと、フェンス辺りに人影を見つけた。
その人は黄瀬達の方へ歩み寄っている。
「テメー何フラフラ消えてんだよっ」
…火神くんだ。
丁度私も戻ろうとしてたのに、なんか入りづらくなってしまった。
しかも飲み物2本しか買ってない。
「火神くんさっきぶり」
「え?あっ、海常の…」
「ハイ、飲み物買ってきたよ。テツヤと火神くんにあげる」
「ありがとうございます」
「あ、あざす…」
まあいっか、黄瀬はナシで。
「オレのは?!」
「帰ってからスムージー作ってあげるから」
「…じゃあいいっス」
よしよし、となんとか嫌な雰囲気から脱出できたような気がする。
…のも束の間で。
先程隣のストバスコートでバスケをしていた高校生に加え、高校生だか大学生だかわからないような、チャラチャラした集団がいた。
これはあまり穏やかな感じではないな。
と、思った時だ。
「どう見ても卑怯です」
「テツヤ?!」「黒子?!」
「く、黒子っち~?!!」
そのチャラ集団の中に、テツヤがたった一人挑みに行っていた。
いや、挑みに行ったというか、ただ素直に行動しただけなんだろうけど。
「マジか…」
「それが黒子っち」
「…行こっか」
残念ながら、なまえさんはここにいて!と黄瀬に止められたので大人しくフェンス越しに見ていることにした。
けど、ここから見える黄瀬もテツヤも楽しそうで、私は十分幸せだった。
「…バスケ馬鹿ばっかり」