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海常高校バスケ部です。

第6章 あの頃の気持ち



「さぁ監督、オールでしましょうか」
「ぐっ…」



武内監督はこれでも一応、元全日本の選手だ。
データによれば、この頑固さは昔かららしい。
それにしても大人気がない。



「1年生!運ぶの手伝って!あと自分の荷物は自分で持って行ってください!」
「「「はい!」」」
「誠凛さんのベンチ優先!!」

「なまえちゃん、ごめんね?ウチのバ火神が」
「ううん!むしろ助かったから」



そして再開した練習試合。

それからは黄瀬も出て、試合は順調に進む。
誠凛はテツヤのミスディレ効果切れを始めに、スタートのハイスピードで体力も尽き始めている。
やっぱりまだ出来上がったばかりのチームにはスタミナが一番の課題のようだ。

でも…



「油断しないように!!」
「え?!」
「スタミナ切れなんかで諦めるような人達じゃないですからね!ここからが勝負と思ってください!」
「あ、あぁ…」



そうは言っても…
みたいな顔してますが先輩方。
テツヤとその他のみなさんの顔を見てくださいよ。
諦めてるような顔には見えないはず。

そもそも、無名校だからって深く研究する必要が無いと思っていたのが間違いだ。
無名校でもIH決勝までいったのは偶然じゃない。
偶然なんかでバスケは勝てない、そんなことわかっているはずだ。
実力は確かにある、証拠に主将のスリーはそう簡単に外れていない。



「黄瀬!ちょっとでも手抜いたら後で覚えときなよ!」
「手なんて抜いてないっスよ?!」



誠凛は悪く言えば諦めが悪い。
良く言えば粘り強い。
そしてそれは練習試合中の今も同じで、彼らはどんどん成長している。



「あ?!なんだありゃ?!」



今の状況はこうだ。

黄瀬にあのテツヤがマークしている。



「大丈夫か…?」



敵であるこっちまで心配になるような出来事だ。
でもまさか、テツヤがなんの考えも無しにマークを付くわけがない。

予想通り、テツヤはやらかしてくれた。
黄瀬含めた海常全員が呆気にとられた瞬間だった。



「…普通のダブルチームの方がまだマシだぜ…」



そりゃそうだ。
今テツヤがしたのは、テツヤを当然抜いた黄瀬に火神くんが付いて、その怯んだ一瞬でテツヤがバックチップをしたのだ。
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