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海常高校バスケ部です。

第6章 あの頃の気持ち



「なんだみょうじ」
「なんだじゃないです!なんでハーフなんですか!」
「なんでも何も、これで十分だろう」



ヤバい、と思った。
恐る恐る誠凛の方を見ると、予想通りお怒りのご様子だ。
リコちゃんのあの笑顔は確実にヤバいと感じた。



「ちょっ、監督何言ってるんスか!失礼っスよ!」
「そ、そうですよ!珍しく黄瀬に賛同します!」
「珍しくは余計っス!」



それでも監督は変えないの一点張り。
しかも黄瀬はスタートじゃないときた。
これはもう誠凛さんの怒りMAXだろう。
ほんとこの人、人の怒りを沸き起こす天才だ。



「あの人ギャフンと言わせてくれれば、オレ出られると思うんで!…まぁ、それも出来ないようじゃオレ達倒すなんて言えな」
「黄瀬!!!」
「イダッッ」



そしてそのアホは黄瀬も同じみたいだ。
調子乗ってる時の黄瀬ほどウザいものは無い。



「ほんっっとすみません!!失礼な人ばっかりで!!」
「いいえ、いいのよなまえちゃん。あなたは悪くないもの」
「でも…」
「ただ一つ。どうなっても知らないわよ、とだけ言っておいて?」
「…りょーかい」



そして試合は始まった。
テツヤの影の薄さは今のところとっても機能抜群だ。
そんな初めての感覚に海常は混乱している。

ほらみろ、なめて見てるからだ。
あの笠松先輩まで多少なめていたみたいだから、ほんと呆れる。
あれほど私が注意を促したというのに、誰一人聞く耳持たないとはどういうことか。
これがさつきみたいに有名な情報収集のスペシャリストだったら違ったんだろうか。
一応私も帝光の人間だったんですけどね。



ガコンッ

「あっ」



何か鈍い音がしたと思えば、誠凛のルーキー、火神くんの手にはバスケットゴール。



「ああっ?!」
「やりましたね、火神くん」



ああ、ついに壊れたか。
実は少し前からヤバかったんだよな、あのゴール。
一応監督に言ってはいたが、すぐに用意できるものでも無かったため今の今まで放置していたのだ。

今回火神くんが壊してくれて正直助かった。
誰も怪我せずに済んだから。



「これ、いくらするんですかね…」
「え"っ?!」

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