第2章 はじまり
「あ!みょうじ!」
「あー早川じゃん。おはよう」
「おはよう!」
新しいクラスに移動すると、クラスにはバスケ部の早川がいた。
ちなみにこの私もバスケ部だ。
…マネージャーだけど。
「また同じク(ラ)スだなっ!」
「だねー。…中村は別なのか」
「おうっ!アイツは3組!」
早川はうるさいし何言ってるかわかんないけど、一緒にいて飽きないから好きだ。
「てか担任、知らない先生だよね」
「新任かなー?」
「かな?」
あと、たまにちょっとあざとい。
天然というかピュアというか、首を傾げる仕草がえらくかわいい。
例えば弟にするならこんな感じがいい。
「…担任、若いなっ!」
「だね。てかイケメン」
「みょうじ、あーゆうのタイプ?」
「いや、全然だな」
結局、担任は新任の男性で、慣れていない感じはあるものの、しっかりした人だった。
ついでに言うと、中々イケメンで早速女子に質問攻めに遭っている。
「てかっ!勧誘行かなきゃ!」
「あっ!そうだった!!急げみょうじ!!」
バタバタと廊下を走って外に出ると、もう部活勧誘の生徒で溢れていた。
「ヤバいヤバい!森山センパーイ!」
「なまえちゃん、早川。はいこれ、ビラ」
「ありがとうございますっ」
「あ(れ)…キャプテンは?」
「笠松は無理だろう。女子とも話さないといけないんだから」
「な(る)ほど…」
さすがスポーツ名門校。
どの部活も必死の勧誘だ。
もちろんバスケ部も負けてられない。
「バスケ部でーす!全国大会常連!超カッコいいバスケ部でーす!!」
「みょうじ、変な勧誘す(る)なよっ」
「えー、本当の事じゃん」
「なまえちゃんはオレたちの事をそんな風に見てくれてるのかな?」
「ま、たまにですけど」
「照れなくても」
「いいからお前らビラ配れよ…」
「はぁーい!小堀先輩っ」
「ええっ?!なまえちゃん?!」
こんな調子で、賑やかにビラ配りを続けて30分。
そろそろ結構な希望者が集まったかなーと、バスケ部のブースの様子を見ることにした。
「かっさ松先輩っ!」
「うっわぁ!?い、いきなり現れんなっ!」
「まぁまぁ、落ち着いて」
「……」
笠松先輩の女子への苦手さは相変わらずだ。