第4章 不器用な二人
中学は帝光中学校に入学。
元々バスケに興味があり、男バスが強いと知った時にはすぐに入部することを決めた。
マネージャー希望で入部届を出すと、すぐに入部できた。
「みょうじなまえです!よろしくお願いします!」
マネージャーは先輩にも同級生にもいなかった。
その為いきなり一軍のマネージャーとして活動していた。
先輩は元々いないらしく、同級生は誘ってみても誰もNOという返事だった。
帝光は他の部活動も盛んで、みんなマネージャーには興味を示さなかったらしい。
「人数多いし大変だろうけど、出来る限りでいいからよろしくな」
二つ上の主将はかなり大きくて、お兄さんのようだった。
その時はまだ150cmくらいしかなかった私は、先輩達によくからかわれた。
でもそんな時間も凄く楽しくて、好きだった。
初めての合宿に、練習試合。
どれも楽しかった。
そしてしばらくしたある日、三軍、二軍と昇格してきた同級生がやって来た。
「虹村修造です!よろしくお願いします!!」
何人かいる中で特に成績が良かったのは虹村修造。
彼のドライブやパススキルはズバ抜けていて、先輩達からの信頼も厚かった。
そして一軍へ馴染むのは一瞬だった。
「みょうじ」
そんなある日、虹村に突然声をかけられた。
それまで私達はそこまで話したことは無かった。
「ん?」
「一年何人かで飯食いに行くけど、お前も来る?」
「えっ、行っていいの?」
「おー。てか当たり前だろ、チームメイトなんだし」
けど、虹村はそんなのも関係無いかのように私をみんなの輪の中に入れてくれた。
些細なことだろうけど、私にとってはそれがとても嬉しかった。
「何食べるの?」
「ラーメン!」
「あ、いいね。私ラーメン久しぶりかも」
「マジかよ?!」
「マジマジ」
そうして私達はラーメンを食べに行った。
食べ盛りな男子は、大盛りだったり餃子などと一緒に食べていた。
虹村はチャーハンを一緒に食べていて、それを一口くれたり私の横にずっといて輪の中に入れてくれたりしてくれた。
その時のことはよく覚えてる。
本当に楽しかったから。
そして、それから私達は仲良くなった。