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海常高校バスケ部です。

第3章 居候です


火神くんと黄瀬の1on1は無事に終了した。
とは言え、火神くんとしては解せない感じだろうけど。



「黒子っち ください」



と、突然ワケのわからない事を言い出したのは、もちろん黄瀬だ。
なんだ、どっからそんな話になった?
てかもしかして、それが目的で来たのかコイツ?



「また一緒にバスケやろう?」



まぁこの誘い文句は良いだろう。
だけどなに?ください とか、ウチにおいでよ とか、アンタ何様のつもりだ?
あまりの無礼さに殴ってやろうかと思ったが、テツヤが口を開いたので押し黙った。



「ありがとうございます。丁重にお断りさせていただきます」
「文脈おかしくねぇっ?!」



そりゃそーだ、と思った。
もう誠凛に入学してるし、テツヤは海常には合わないと思う。
去年の誠凛の試合や成績を見て思ったが、このチームはまだ成長期。
そして必ず強くなる。
テツヤは絶対にここで成長する。
私はそう感じた。

だから……



「諦めてとっとと帰るよ」
「えーっ、まだ黒子っちと話したいっス!」
「ワガママ言うな!テツヤにも他の皆さんにも迷惑だろーが!」
「んもー、オレが居ないと心細いからって…」
「は?」
「…スマセン」



もう面倒くさいからさっさと帰ろうと思って黄瀬を引っ張るが、駄々をこねている。
これだからワガママワンコは…。



「どうせ同じ家に帰るんスから、もーちょっといいでしょ!ね?」
「えっ?!」「同じ家?!」「同棲?!」
「黄瀬………」



このバカはどこまでバカなんだろう。
面倒くさいから言いたくなかったのに。
それに、テツヤだって知らなかったかもしれないのに、知られるのは何だか嫌だ。
なのに…コイツは…。



「このバカ!!」
「えぇっ?!」
「みょうじ先輩…黄瀬君と住んでたんですか…?」
「そっスよ!」
「お前は一旦黙ってろ!!」
「いだっ!」
「ただの居候!居候だよ!」



ほら見ろ、誠凛の皆様も驚き隠せない状態じゃないですか。
どうしてくれます、この空気。
もうヤダ、ほんとバカ。



「…何かあったらすぐに連絡してください」
「ありがとう…。疲れたらテツヤんちに行くね」
「わかりました」
「ちょっ、二人共ぉ!?」



誠凛さん(特に火神くん)を放置状態で散々盛り上がり、ある程度したところで今度こそ私達は体育館を出た。
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