第3章 居候です
「わっ!テ、テツヤ〜〜!!」
その声の主は黒子テツヤだった。
テツヤは私のお気に入りの一人で、テツヤも嬉しそうにしてくれるので本当に可愛くて仕方がない。
「久しぶり!大丈夫?元気?」
「みょうじ先輩お久しぶりです。元気ですよ」
「うわぁ〜懐かしい!ほんとテツヤは可愛いなぁ〜」
「あの… "可愛い" は嬉しくないです…」
「ああ、ごめんごめん」
ムスッと拗ねた表情もまた可愛いが、言い止めた。
テツヤに会ったのは私が卒業して以来で、1年も経つとかなり久々な気がした。
それに、テツヤも随分大きくなった気がする。
「そっか、テツヤも高校生か」
「そうですよ」
「あ、あのぉ…」
テツヤと久しぶりに会えたことで興奮していると、遠慮がちに話しかけてくる人がいた。
「あっ!失礼しました!…誠凛の監督さん、ですよね?」
「え、ええ」
誠凛の監督さん、相田リコさんだ。
とても可愛らしい声をしていて、身長は私と変わらないくらいで、ショートカットで茶色い髪の毛はサラサラだ。
「改めまして、みょうじなまえです」
「二年生ってことは同い年ですよね…?」
「はい」
「随分大人っぽいなぁと思いまして…」
「えっ、そうですか?!嬉しい〜…っていうか、タメだし敬語やめません?」
「あ、あぁそうね!ふふ!」
話しているうちに、リコちゃんとは気が合いそうな気がした。
そしてリコちゃんに聞いたところによると、黄瀬は今まさにテツヤに挨拶をしていたところらしい。
と言っても、変な勘違いを押し付けているらしいけど。
「こら黄瀬、誠凛の皆さんに迷惑かけちゃダメでしょーが」
「迷惑なんて…」
「アンタが来たこと自体が迷惑なんだっつの」
「そんなぁ?!」
とりあえずしっかりと注意して、誠凛の皆さんに深く謝罪をして体育館を出ようとすると、黄瀬目掛けてボールが飛んできた。
「…ったぁ…なんスかもー」
「ちょっと相手しろよ」
「えー、そんな急に言われても…。あーでもさっき…」
そのボールを投げたのは、火神大我。
アメリカ育ちの帰国子女らしく、その髪は綺麗な赤色をしていた。
と言っても、あの子の赤とは違って少し濃いめ。
そしてデカい体に高1とは思えない程の筋肉。
その火神くんが黄瀬に勝負をふっかけた。
…さぁ、どうなることか。