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レッテル 2

第6章 挨拶参り



「まぁ、怪我ですんでよかった…なッ。」

「いてぇッ!!」

保健室。
誠也君の鼻に湿布を貼った三柴先生が、鼻を弾いた。
痛みで彼が悲痛の叫びを上げる。

「高嶋とか…懐かしいな。」

そんな彼に背を向けながら先生が呟く。

「知り合いなんですか?」

湿布を貼られた頬を触りながら尋ねた。

「まぁ、知り合いっつうか何て言うか……秘密。」

そう言うと、ファイルを手に取った。

「あんた何者なんだよ?」

彼が訝しげに先生を見ている。

「あ?ただの校医に決まってんだろ。」

鼻で笑うと先生が手を動かし始めた。

「つか、さっさと行け。長居しても何も出さんぞ。」

シッシッと追い払うように手を振る。

「なんつう、先公だよ。それでも先公か?」

誠也君が呆れながら立ち上がった。

「あぁ。」

先生はそう頷くと、再び手を動かし始めた。

ガラガラガラ――

戸を開け出ていくあたし達。

「揉め事はバレねぇようにしろよ。」

戸を閉める時、そう聞こえたような気がした。



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