第22章 ダメ男
「とりあえず"葬儀屋"に電話した方がいいと思う。」
いい加減にしろよ?
ふざけるのもたいがいにしろ。
「死んだ理由なんていうんだよ。」
「"ショック死"でいんじゃね?彼女にフラれたのが原因って事で。」
「桜ちゃんに何て言う?」
「普通に"死んだ"とかは?」
「もっとオブラートに"他界"のほうが――」
まだ、人を勝手に殺して言いたい放題言っている。
「……オブラートもクソもあるか……て痛ぇよ拓ッ!!」
「あぁ、悪い。」
拓が俺の髪から手を退けた。
そして、ゆっくりと起こす身体。
「テメェ等わざとだろ?
人をバカにして楽しんでんだろ?
……並べ!!ぶっ殺してやる!!」
立ち上がった俺は、どんな顔をしているだろうか?
それは分からないが、キヨ達が顔をひきつらせている。
「誠也がキレたッ!!」
「逃げろ!!」
ドアの鍵を開けて飛び出していくキヨとハルとタケ。
「まて、コラッ!!」
その後を追いかける俺。
「あれ、誠也ちゃん生き返ったん?」
「うるせぇッ!!」
バコンッ―――
俺の拳が翔の頭にめり込む。
鈍い音がした。
「いってぇぇええ!!」
翔の悲痛の叫び声が家中に響いた。