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レッテル 2

第6章 挨拶参り


「俺がどこにいようが俺の勝手だろうがァ、文句あんのか?あ?」

力の入った目が三善先輩達を見ている。

バタバタバタバタ―――

「文句あんならかかって―――。」

ドカぁッ―――

「ッ―――」

ドザァッ―――

勢いよく背中にめり込んだ足の裏の力で、高嶋が床に前のめりに倒れる。
離れる腕。
それを誰かの手が優しく包み込んだ。

「上等だ、クソ野郎ッ!!」

鼻から血を出している誠也君が、中指を上げて高嶋を激しく見下ろしている。
彼だ。
彼が触れた腕をジッと見つめる。

「テメェ……誰にむかって――。」

高嶋がゆっくりと立ち上がった。
こめかみに青筋を立て、誠也君を睨み付けている。

「人の女、二度も傷付けやがって……先輩もクソもあるかッ!!ぶっ殺してやる!!」

そう言った彼の瞳孔が開いた。
我慢の糸がキレたのだ。

彼があたしから手を離し、ゆっくりと高嶋に近寄る。
あたしは、彼の背中をジッと見ていた。
彼の触れた腕を触りながら。

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