第6章 挨拶参り
ガシッ―――
「きゃっ!!」
突然掴まれる腕。
「来いッ!!」
引きずられるように激しく引っ張られる。
掴まれた腕がミシミシと音を立てている。
"痛い"
その一言じゃ表せないほど、腕は悲鳴をあげていた。
「離して!!」
あたしは叫んだ。
二年の教室から怯えるように見る生徒達の目。
教師も動けずにいる。
「あんたなんか大嫌い!!」
高嶋の強張った腕を見ながら叫んだ。
コイツがいなければ彼が怪我することないのに。
皆も普通に過ごせるのに――
そう思ってると、高嶋の足が止まった。
バシンッ―――
乾いた音が響く。
それと同時に頬が激しく痛んだ。
ツーと口角から垂れる血。
ポタポタと床にシミを作っている。
「あんた、なんでこんなとこにッ!?」
騒ぎを聞きつけた三善先輩達が教室から出てきた。
ぞろぞろと極使天馬の兵隊もいる。