第6章 挨拶参り
「秋本…わざわざ来てやったんだ。挨拶はねーんか?」
赤い髪を見下ろす高嶋。
「グー……ガ―………。」
未だに彼は寝ている。
「なめてンのか?」
高嶋の眉間にシワがよった。
「グー……ガー……。」
けれども彼は起きる素振りを見せない。
バンッ―――
「なに寝てんだ、クソガキがぁ!!」
高嶋の手で激しく揺れる机。
「……んあ?何だ―――」
ゴシャァアッ――――
誠也が顔を上げた瞬間、激しく降り下ろされた拳が後頭部に入った。
「ぶふッ―――」
顔が机にめり込む。
口から吐き出される血が飛び散った。
皆が声にならない悲鳴をあげている。
「誠也ッ!!」
藤崎と西村が声を上げた。