第5章 悪魔の微笑み
自分のことで涙を流した彼女が胸の中でゆっくりと眠りについた。
自分の布団にゆっくりと寝かせる。
今夜も眠れそうにない。
明日は学校?
んなこと、どうでもいい。
静かに窓を開けベランダに出た。
また、彼女を泣かしてしまった。
"罪悪感"
それが蟠(わだかま)りとなって胸を占拠している。
だから、彼女が泣いているとき見ていることしか出来なかった。
いや、どう接して良いのかわからなかった。
なぜならそうさせてしまったのは自分。
"守れてねぇじゃねぇかよ"
また、苦しくなった。
それをごまかすように煙草を吸うけども、ただ苦いだけ。
なにもごまかせない心の痛み。
身体を守れても、まだ守りきれていない彼女の"笑顔"。
一番守りたいモノが守れない。
それほど悔しい事はない。
ギュッと拳を握った。