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レッテル 2

第5章 悪魔の微笑み



上田さんからもらった大切な特攻服。
それを彼女は一生懸命直してくれた。
身体の傷も心の傷も、いつも彼女の笑顔に癒される。

だけど、俺は彼女の傷を癒せる事は出来ない。

笑っても不気味なだけ。
不器用だから気のきいた言葉のひとつも言えない。
オマケに顔も良くねーし、性格も最悪。
世間からは不良のレッテル貼られてるしよ。
唯一、マシな所と言えば力があることだけ。
それってマシか?

情けない自分に鼻で笑った。

だけど彼女は愛している。
心の底から。
可愛いから好きになった訳じゃない。
眩しい笑顔に惹かれた。
そして性格にも。
自分に恐がらずに接してくれた女はアイツだけ。

いや、滝本先輩も接してくれたがそれは姉貴みてぇなもんだし。

これからも愛していくのは彼女だけ。
最期まで一緒にいたい。

「アイツも心変わりせずにいてくれっかな……プッ。」

思わず出てきた言葉に吹き出した。

――柄にもねぇわマジで…。

と、空を見上げた。
空を流れていく星。

"桜と死ぬまで一緒にいれますように"

手を合わせて星に願う熱い思い。





「つか、パンツはいて歩けってなんのことだ?」

流れる星は虚しく消えていった。




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