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レッテル 2

第5章 悪魔の微笑み



「…つか、今日悪かった…心配かけて。」

小さく彼が言った。

「……ううんッ――」

溢れる涙を必死に堪え、首を横に振る。

「なんつうか、うかつだった。高嶋(あいつ)が変な手使うのは分かってたつもりだったけどよぉ。…でも、お前に何もなくてよかったわ。」

そう言った彼が無邪気に笑っている。

「誠也…君も……何もなくてよかった。」

あたしの声が彼の胸に消えていく。

「あぁ、ありがとよ。」

優しく頭を撫でられた。
幸せが胸に満ちてくる。

時間よ止まれ。

そう願いながら、ゆっくりと目を閉じた。




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