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レッテル 2

第5章 悪魔の微笑み



夜中、あたしは布団で眠る彼をジッと眺めていた。
ベッドで布団に潜りながら。

"無事で良かった"

そう言ったけれど、心の中にある不安は拭えていない。

次は高嶋が彼の前に現れないとも限らない。
そうなれば、争いは避けられない。

ギュッと毛布を掴んだ。

考えれば考えるぼど、不安が不安を呼ぶ。
なにも役に立たない癖に、余計なことは一丁前に考える自分に腹が立つ。

"役に立ちたい"

いつもそう思うけど、結局は足手まとい。
なんだか悔しくなった。
役に立てないことも、迷惑ばかりかけることも。
悔しくて涙が溢れてくる。

あたしは弱い。

泣くことで誰かに甘えようとしてる。
昔からずっとそうだった。

"泣けば誰かが助けてくれる"

心の奧でそう思っている自分がいる。

ズルいなぁ…あたし。

再び彼の方へ目を向けた。



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