第5章 悪魔の微笑み
「なんで、パクられてんだよ。」
歩きながら清が言った。
「宮元にはめられた。」
俺はそう言って煙草をくわえる。
「宮元?…なんで今さら。」
拓が首を傾げている。
「しらねーよ…あぁ、高嶋に頼まれたとか言ってたっけ。」
ボッ―――
ジッポーで火を作り、煙草の先端に近づける。
「モッテモテだね、誠也ちゃーん。」
「本気で言ってんのか?」
ちゃかす翔を煙を吐き出しながら見た。
「いや。」
翔の顔が真剣になった、
皆黙って歩いている。
「でも……。」
勇人と手を繋いで前を歩くがポツリと口を開いた。
「無事で良かった。」
そう言って振り向いた顔は可愛い笑顔で満ちていた。
トクンッ―――
胸が高鳴る。
思わず顔を反らした。
そして、目にはいる仲間の顔。
皆頬が赤い。
イライライラ―――
「なに考えてんだテメェ等ッ!!」
俺の叫び声が響いた。