第4章 逃亡
「勇気もねえのに物騒なもん、振り回すんじゃねぇッ!!」
バコォッ―――
「ぶふッ―――」
勢いよく誠也の拳が宮元の顔面にめり込んだ。
鼻血を吹き出しながら、誠也の手から放れた宮元が地面に倒れていく。
ドザぁ―――
「…次はどいつだ?それなりの覚悟決めてお礼参りなんざしたんだよなぁ?」
誠也の目が男達に向いた。
「ヒイィィィ!!」
男達が悲鳴をあげながら後ずさっている。
「…せっかく良い気持ちで帰ってたのによぉ…死ぬか?」
ボキボキと拳を鳴らした。
「い……嫌だ―――!!」
男達が転がるように逃げて行く。
「ま……まて――。」
宮元も逃げようとした。
ガシッ―――
けれど、捕まれる胸ぐら。
「…誰に頼まれた?」
鬼のような顔が間近まできた。
宮元の顔が恐怖で歪んでいる。
「た…高嶋…さん。」
震える唇で小さく呟く。