第4章 逃亡
ドサッ―――
「ヒイィィィ――」
解放された宮元が逃げていく。
「高嶋の野郎……」
誠也の眉間にシワがよった。
ウ――――ヴゥ――――
と同時に聞こえてくる耳障りなサイレン。
「うるせぇッ!!」
誠也が叫ぶ。
キュッ―――
その音は、彼の側まで来ると止まった。
そして、降りてくる警察官。
「なんだよ?」
誠也はその者達を睨み付ける。
「そのナイフはお前のか?」
「は?ちげーし。」
「ちょっと来なさい。」
「意味わかんねぇよッ!!放せッ!!」
警官達に取り押さえられ、必死に誠也がもがく。
カシャリ―――
腕に冷たい感触がした。
「なんで手錠―――」
「暴れるからだ。」
警官はそう言うと彼を車へ引きずっていく。
「お前等バカだろッ!!」
誠也の虚しい叫びが、夕暮れの空に響いた。