第4章 逃亡
「お礼参りだ?…のわりには震えてんな。」
力の入った目で宮元を睨み付ける。
バタフライナイフを持った宮元は小刻みに手を震わせていた。
「誰に頼まれた?」
唸るように吐き出す言葉。
宮元の顔が歪んだ。
「答えろッ!!」
「……うるせぇ!!」
宮元が突っ込んでくる。
ガシッ―――
カンッカランッ―――
ナイフが地面に落ちた。
「……お前に人を殺る勇気があんのか?」
宮元の腕を掴んだ誠也がジッと彼を睨んでいる。
威圧的な目で。
「は…なせッ!!」
ミシミシと音を立てる腕を見ながら、宮元が叫んだ。
他の連中は動かない。
いや、動けないのだ。
誠也の気迫に圧倒されて。