第1章 絶望の宴
「 はなぁ、争いなんて無くなればいいって言ってたんだよッ!!本当は争いが大嫌いな奴なんだよッ!!俺のせいで…いっぺぇこえーことに巻き込まれて、それでもなぁ…笑ってたんだよ!!なのにもう……笑うことさえできねーかもしれねぇんだぞッ!!」
荒々しく誠也が花村の胸ぐらを掴み揺らした。
花村は前から来る恐怖と後ろから迫る恐怖とで顔を蒼白させている。
「返せッ!! を返せよッ!!」
誠也の声が空に虚しく響く。
皆、彼から顔を反らしていた。
宗次郎に至っては、僅かな呼吸で生死をさ迷っている少女をジッと見つめていた。
苦しそうに顔を曇らせながら。
――巻き込んですまない。
心の中で謝る。
謝っても謝りきれない想いが心に満ちている。
そして、再び怒りが沸々と涌き出てきた。
――この手でケリをつけたい。
花村に目を向ける。
拳銃を握る手に力が入った。
「………クックックッ………ハッハッハッ―――」
急に誰かが笑いだした。
バタバタバタバタ―――
と同時に聞こえる羽の音。
ヘリコプターだ。
「くだらんッ!!実にくだらんッ!!それにワシはまだ終わらんッ!!」
花村がそう叫ぶと目の前に黒いヘリコプターが現れた。
「伏せろッ!!」
白川が叫ぶ。
皆が床に伏せた。
ババババ バ――――
その瞬間、ヘリコプターに乗っている黒ずくめの男達が発砲してきた。
カンッ――カンッ――カンッ――カンッ―――
銃弾が地面を弾く音が響く。
「ッ―――」
一番近かった誠也の腕をかすった。
パァン――
パァン――
パァン――
その後、乾いた銃声が二~三回鳴り響いた。