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レッテル 2

第1章 絶望の宴



「次は逆の足を狙ってやろうか?」

薄ら笑いを浮かべながら、宗次郎が煙の出る銃口を太股へ向けた。

「たったすけてくれ……何でもするから!!金ならいくらでも―――」

「そうい――」

「そういう問題じゃねぇんだッ!!」

宗次郎の声を何者かが遮った。
皆が声の方を見た。
そこには、手を血に染めた誠也が瞳孔の開いた目で花村を睨んでいた。

「テメェは絶対にゆるさねェ……。」

ブーツの底が地面を蹴った。
花村の所まで勢いよく走る。

「ヒィィイイイ――――」

花村が足を引きずりながら逃げようとしている。

バコンッ――――

「かはっ―――」

誠也の拳が激しく頬にめり込む。

ズササッ―――

花村が地面に崩れ落ちた。

「立てェッ!!」

花村の胸ぐらをつかみ、

ドガッ――

バキィ――

バコッ――

何度も何度も殴っていく。
花村が息をする隙もあたえないくらいに。

「やめて……。」

虫の声で花村が言った。

「人の大事な者撃っといて何が"やめて"だァ?調子に乗るのもいい加減にしろやッ!!」

グシャあッ―――

「ぶッ――はッ―――」

地面に激しく叩きつける。
花村の頭が宙に浮いている。
もう後が無い。
遠くに地面が見える。

ゴオォォオオ―――

強い風が花村の顔を襲った。


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