第4章 逃亡
同じ頃。
町のショッピングモールを軽快にあたしは歩いていた。
いつもより肌をツヤツヤさせながら。
誠也君も心なしか機嫌が良い。
けれど、真ん中の勇人君はゲッソリしていた。
「なんだよ、風邪か?」
彼が笑いながら勇人君を見た。
「ちがう。」
不機嫌そうにチラリと勇人君は誠也君を見た。
「じゃあどうしたんだよ?」
更に笑っている。
「うるさいな、誰のせいでこうなったと思ってんだ。」
勇人君はそう言うとあたし達より少し前に出た。
金色の髪がキラリと光る。
「誠也君、何かしたの?」
「知らねぇ…思春期か?」
彼が頭を掻いた。
「……パンツはいて歩けよ。」
「は?」
振り向かずに言った勇人君の言葉に、誠也君は訳がわからないというような顔をした。
「……パンツ?」
訝しげにあたしは誠也君を見た。
「何のことだよ?いや、知らねぇって。」
彼が焦ったようにあたしを見た。
「汚い。」
あたしはそう呟いて勇人君の横を歩いた。
「ちょっ、本当に知らねぇんだって!!」
彼が慌てて勇人君の横を歩いた。