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レッテル 2

第4章 逃亡



「なら、一緒に来い。」

「え?」

「…だから、族潰すって言ってんだよ。」

更に高嶋の眉間に大量のシワがよる。

「そんなことしたら…俺等また秋本さんに…殺されますよ…。」

「あ?」

「だから、秋本さんに―――。」

バキぃッ――

「ッ―――」

高嶋の拳が宮元の顔面にめり込んだ。

「なら、今ここで俺がテメェ等を殺すゾ?」

拳越しに高嶋が激しく睨み付けている。

「分かり……ました。」

ドロリと血が出る鼻を押さえながら宮元は小さく頷いた。
いや、頷くしかなかった。
高嶋の威圧的な態度に、今の彼等が逆らえるはずもない。

前から来る、"族"という名の恐怖。
後ろから迫る"高嶋"という名の恐怖。
二つの恐怖に板挟みされた宮元達は選択する余地がない。

どっちを選んでも痛みを伴うのだから、今逆らうべきではない。

彼等はそう思っていた。
伊藤もまた同じ。

伊藤は高嶋にバレないようにこっそりと溜め息をついた。

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