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レッテル 2

第4章 逃亡



ギリギリと噛み締める奥歯。
異様な雰囲気を醸し出している為、人がそこを避ける。
まるで石を避ける川の水のように。

「高嶋さん買ってきました。」

そこへやって来る息を切らした伊藤。
煙草の箱を差し出す。

「あ?」

バコッ――

「いてぇッ!!」

それを見た高嶋は伊藤の頭を殴った。
あまりの痛みに頭を押さえる。

「誰がセッター買って来いッつったよ!?マルボロだろうがよッ!!」

「いや…俺セッターよく吸うんで――。」

「テメェの好みなんざしるかッ!!」

バコッ―――

「いてぇッ!!」

再び叩かれる頭。

「買い直して来いやッ!!」

「ぅ…ウッス。」

伊藤はまた走った。

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