第4章 逃亡
「クソがぁ…。」
昼下がりの午後。
人通りの多いい広場で高嶋は煙草を吹かしていた。
そこには吸い殻の山が出来ている。
――吸いすぎたろ高嶋さん…つうか、帰りてぇ。
それを横目に高嶋の後輩である伊藤 駿(いとう しゅん)はそんなことを思っていた。
――何のためにここにいんだ?
伊藤は染めたばかりの金髪の頭をガシガシと掻いた。
短い髪が乱れる。
「…オイ、煙草買ってこい。」
「…はい。」
そして、パシられる伊藤。
彼は心の中で思った。
――もう嫌だ。
と。
けれど、そんなことを言えるはずもなく、伊藤は煙草を買いに走った。