第4章 逃亡
「待ってろ、ティッシュ持ってくっから。」
誠也が立ち上がった。
――パンツはけよッ!!
全裸で男の勲章を揺らしながら歩く誠也に、思わず勇人はツッコんだ。
どんどん近づいてくる勲章。
狸寝入りをしているため、顔を動かすことが出来ない。
間近まできた。
顔じゃなく、勲章が。
勇人は目を閉じた。
もう閉じずにはいられようか。
ある意味チン百景だ。
ガサガサと音がして足音が遠退く。
勇人は再び目を向けた。
――今度はケツかよ。
義兄の引き締まった尻を見て思わずため息を吐く。
「くすぐったい…。」
クスクスとが笑っている。
「しっ…勇人が起きんゾ?」
――いや、もう起きてるよ。つーか、汚ねーもん見たせいで気分悪い。
二度と早起きなんかするもんか。
勇人は心に誓った。