• テキストサイズ

レッテル 2

第4章 逃亡



同時刻。

「あッ…あッ…――。」

部屋に響き渡る淫らな声。

何だか変な声が聞こえてくる。

と、眠っていた勇人は気になって思わず目を開けた。
そして、声の方へ目を向ける。

――何やってんだ兄貴ッ!?

勇人は激怒した。
まだ十歳の男の子には刺激が強すぎると。
最近、S○Xという大人の言葉を知ったばかりの初々しい時期。
別にするなとは言わない。
だけど、場所を考えろ。
そう叫んでやりたかった。

「せ……ぃ…や……くん――。」

聞こえてくる桜の甘い誘惑。
下半身が熱くなるのを勇人は感じた。
けれど、それを何と呼ぶのか幼い少年はまだ知らない。

「……もう…ダメ――。」

そして、次に聞こえてきたのは誠也の甘ったるい声。
勇人は吐き気を感じた。

――オエッ…兄貴気持ち悪ッ。

熱が一気に冷める。
上が下を向いた。
何ってナニが。


/ 542ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp