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レッテル 2

第4章 逃亡



「どうしたの?」

あたしの胸に顔を埋める彼に尋ねる。
そして、垂れた真っ赤な髪を優しく撫でた。

「…色々。」

彼は不器用に答えた。
今の彼は甘えん坊。
まるで子供。
だけど、それを不快に感じることはない。

たまには弱音を吐いてもいいんだよ?

口に出さずに心の中で投げ掛けた。

「好き……。」

彼が顔を上げた。
ゆっくりと重ねられる唇。
ほんのり煙草の匂いがする。
灰皿に無造作に重ねられた煙草の吸い殻の山が目に入った。

何か考え事をしていたのだろうか。

唇を重ねながらもチクリと胸が痛む。
原因はわかってる。

高嶋。

あの顔が脳裏に浮かんだ。




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