第22章 ダメ男
「あれ、開かないんだけど。」
ガチャガチャという音と共に聞こえてくる声。
清治だ。
鍵を閉めた後にトイレに出た清治。
翔が入ってこないように再び鍵が閉められていたため、閉め出されていた。
「清治か?」
「うん。」
「入れ、翔はいれんなよ。」
「は?」
鍵の開く音がする。
バンッ―――
そして、扉の閉まる音。
再び鍵が閉められている。
「いーれーてーよー!!」
情けない翔の声が聞こえてきた。
どうやら翔は中に入れなかったらしい。
「秋本さん生き返った?」
「いや、手遅れだった。」
死んでねーよ。
何で死んだことになってんだよ。
話が余計ややこしくなっている。