第22章 ダメ男
「焦りすぎなんだよ、誠也は。
真面目にセン●リしねぇから溜まってイライラしてんじゃね?」
「セン●リって?」
「オ●ニー。」
「なんじゃそりゃ。」
先程から耳に入ってくる雑音。
さっきからキヨが余計なことばかり言っている。
――人が狸寝入り決め込んでたら言いたい放題言いやがってッ!!
俺は激怒した。
別にふて寝してるわけではない。
昨日、あんまり寝ていなかったから寝ていただけ。
なのに、知らぬ間に話がややこしい事になっている。
「…キヨ。小学生に変なこと教えて、翔みたいになったらどうするんだ?」
やっぱり拓は真面目だ。
本当にこいつが親友でよかった。
「俺みたいにってなんだよ!!誠也ちゃんも同類じゃん!!」
ドアの向こうから聞こえてくるこもった声。
うるせぇ。
テメェと一緒にすんな。
バンッ―――
「ややこしくなっから、お前は黙ってろ。」
ハルが扉を叩いた。