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レッテル 2

第21章 感情


「で、その"上原"がなにしたんだよ。」

「岩中興業の奴らにちょっかいかけたらしくて…追われてるらしいんですよ!!」

「なんだ、そんなことか。」

「"そんなことか"…じゃないですよ!!相手がこっちに金要求してきてんだから!!」

「で、その上原は?」

「逃げてます。」

「……自業自得だろ、テメエのケツはテメエで拭かせろ。」

亜久里はそう言うと、再び目を閉じた。

「あんたそれでもリーダーかよ!!仲間が大変な時に――。」

「じゃあ…なんでその仲間が他の仲間を巻き込むようなことすんだよ?」

再び開いた目の奥の瞳が棗を射る。

「それは……。」

「都合の良い時だけ頼ってくんじゃねぇッ!!」


ズクンッ―――


亜久里の言葉が棗の心に突き刺さる。
痛む胸。
ゆっくりと起き上がった亜久里の真剣な目を見ることが出来ない。
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