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レッテル 2

第21章 感情



「じゃあ、これ約束のお金ね。」

「どうも。」

車が着いたのは、人里離れた山奥。
近くでは、作業着を着たさまざまな男達がいる。
目立つのは今にも死にそうな男。
立つことさえ困難の様に思える。

「おら動け!!
オメェは借金返し終わるまでタダ働きなんだからよ!!
今くたばられたらこっちが迷惑なんだよ!!」

「ひぃっ。」

ガテン系の厳つい風貌の男が蹴飛ばした。
無理に立たされる身体。
連れてこられた男は、声にならない悲鳴をあげている。

「払うから!!払うから止めて!!」

男が渡瀬の足にすがり付いてくる。

「もう、お前に助かる道はねぇ。」


ドガッ―――


渡瀬は男を蹴飛ばすと車へと歩いていく。

「………。」

――可哀想に。

そう思うも、春本は渡瀬の後に続く。

「さっさと来いッ!!」

「やめてくれ――!!」

後ろから男の叫び声が聞こえてくる。



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